触って、七瀬。ー青い冬ー
第15章 指先の快楽
「ああ…」
やっと、やっとだ
何年も待っていた気がする
この夜をずっと
いや、たしかに何年も待っていた
10年も待っていた
七瀬夕紀を
俺の名前を聞くために
あの曲を弾いてくれた君を
二度君を犯したけどそれとは違う夜
ちゃんと、友達を越えようとする夜
「…口、開けて」
少し不安そうな表情の君は
小さな口を開けた
そこに自分のそれをあてがった
「っは…あ」
暖かくて柔らかくてぬるぬるする口内の壁
に擦られる
ざらざらした舌は先端を念入りにずりずりと削るように擦る
「っは、七瀬…、あ」
それは誰でれんしゅうした?
ずっと上手くなってる
「あっ、あ、あ」
思わず腰が動く
動いたら苦しいだろうに
そうとわかっていても腰が動く
「ごめ、…ん…ごめ…っあぁ」
腰を動かすと、ずり、と擦れる
七瀬の潤んだ目が俺を見た
「っふ、んぐっ」
ああ、またそうやって見つめて
喉奥まで差し込んだ
嗚咽が漏れている
ぬるぬるの喉奥がぎゅっと締め付けた
「っはぁ…はぁっ」
根元まで口の中に押し込んだ
無茶だ、入るわけないのに
「っん、ぐっ!」
「ああ…っあ…」
そのまま出してしまった
七瀬がえづきながら飲み干していった
「っぐ…んく、ん、く、んっぐ」
「はぁ…あ…ぁあ」
口でされてイくなんて…
きっと、溜まっていた想いと欲と
その苦しそうな顔のせいだ
「っはぁ、っはぁ、はぁっ、はぁっ」
七瀬が喉を解放されて大きく息を吸った
「ごめん、ごめん七瀬」
俺は謝りながら七瀬にキスをした
七瀬は首を振った
「いい、から、…」
七瀬は手の甲で口を押さえながら、
白い手で自分のベルトを触った
「っ…はっ、勃ってやがる」
その手が誘うようにベルトを撫でている
「ね、苦し…」
くっそ、えろい手付きだ
「…ペナルティ、忘れてないよな?」
「今の、でしょ」
「違う。今のは通常運転」
いや、割と正気失ってたけど内緒
「うそ…」
「悪いな、荒っぽくて」
高梨は僕を後ろから抱きしめるような体制にして、僕を脱がせた
背中は高梨に預けていて足はベッドの上に投げ出している
「こっからが本番。
夕紀君はどこまで耐えられるでしょう」
「耐える…?」