触って、七瀬。ー青い冬ー
第16章 薔薇戦争
先生は反応をよく見せてはくれない
熱い息を漏らすだけ
でも僕はもう制御なんてできない
「っ…!っはぁ、あ…!いっ、ちゃ…」
先生が僕の腕を掴んで、僕の棒を挟んでいた足を開いた
「せんせ、足、閉じて…」
今、イきそうだったのに
先生は僕の首に腕を回して、耳たぶを噛んだ
「夕紀君、どうして勝手なことをしたのかな?」
「っ…」
先生の息はまだ熱くて、それでも落ち着いていた
いつもみたいに
「君は今、私と【訓練】をしていたはずだよ。
私はそれを中断した覚えはない。
君はできると言ったけれど
やはり
君にはまだできない、のではないかな?」
先生は僕の耳を舐めた
「っはぁ」
「ほら、これだけでもう果てそうになっている。
全く、口だけは達者で見栄を張るのが得意な子だ」
先生は僕のそれにするりと手をかけた
細長く、僕が一目惚れしたその美しい手で
「っあ…あ」
「君がそんな風に嘘つきになってしまったのは
私のせいだ…いや、嘘つきというのは悪い言い方かもしれないね」
しゅ、と手が僕をしごく
「っう、ぐ…」
「君は優しいから
私を失望させたくないと、そう思って
どんな期待にも答えようとして
いつだって自分の限界を無視して努力する」
「んんっ、んんっ」
「こんなに甘えた声を聞かせてくれるのは、
こうして限界まで追い詰められた時だけだね。
君は強いから、いつも一人でやってきた。
だから甘えるのも下手だ。
そんな風に甘え下手にさせてしまったのは
僕や周りの大人でもある」
「っ先生…」
「時にはそうやって、甘えなさい」
先生、僕にどうしてほしいの?
「ふぅ、う」