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触って、七瀬。ー青い冬ー

第20章 歪形の愛執

「ねえ何回イってんの?誰が自分で動いていいって言ったの?七瀬君」

耳打ちされても、もう何も聞こえない

きもちいーから
なんでもいー、どうでもいー

何回でも、出るまで出し切ってやろ

いつか動画で、尻にディルド入れてペットボトルに精液をだしてる人を見たけどそれが本当に止まらなくてペットボトル一本分精子で詰まってた

多分そんな風にいくらでもだせるんだよな

「だまって…ろ…バーカ、っ…」

笑えてきた
僕はもうお前の所有物じゃないから
いうことも聞かないし
脅されても動じない

それなのにまるで僕が従順な下僕だと思ってる
本当に馬鹿だなあ

あー、体は熱いし授業はつまらないし
このままどっかに走って逃げようかな

一人になって好きなだけ楽しみたい

「そんな態度とっちゃ、お仕置きするよ?」

どうぞどうぞ、どうせ先生の前じゃ
できることには限度ってもんがあるしね

「…そっか、せっかく許してあげようかと思ったのに。そうやって反省しないんだったら、やっぱりきちんと躾してあげないと」

高梨が歯をちららと見せて笑った

「…」

その微かな怪しい笑みに何度も絆されてきて
今更、また綺麗だと思ってしまった

悔しいけど
その顔はいつでも無邪気で高潔な
優しさを持っているような

その純粋さを疑うことも許さないような
真っ直ぐでくすみのない黒い瞳

この目を信じたらいけない
二度と気を許しちゃいけない

わかっていてもやっぱり
夜の海辺で星空に目を暴れない人がいないように
僕もその自然の美しさには到底抵抗できない

だから…綺麗だと思うのは人として
当たり前のことなはず

高梨はスマホを机の中から取り出して、とんとんと画面を指先で打つ

何をしてるのかわからないが、文字を打っているらしい

「…何、やったんだよ」

聞いても、返事はなく
高梨は居直って黒板を見つめていた

「…なん、なんだし」

そこで、校内放送が入った

「後藤先生、後藤先生、至急職員室までお戻りください。お客様がお呼びです。繰り返します…」

後藤先生…は、今ここにいるやる気のない先生だ
…コレがお仕置きか?

「うん?俺か?呼び出されたなあ、
…じゃあ一旦自習な、ちょっと行ってくるからー」

先生がのこのこ教室を出て行った

「いえーい」

「マジ?自習だって」

「最高じゃん」

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