触って、七瀬。ー青い冬ー
第21章 湖上の雫
「はぁ…はぁ…」
平賀さんは僕の尻を揉みながら腿に股間を押し付けていた
逃げないと、逃げないと多分戻れないところまで引きずり込まれそうだ
…逃げてどうする
逃げたら多分、モデルの仕事は無くなるな
少なくとも平賀さんが関わるものは
そんなの、別にいいだろ
今考えるべきなのは、仕事のことじゃなくて
そもそもこの仕事、脅されてやらされてただけなんだし。あれ?
…そうか、これも計算済みか
鬼畜か、あの手袋野郎…
【社会的な死】
ふ、と悪魔の尻尾を生やした桃屋が含み笑いをする
そういうことか、
どっちにしろ僕は死ぬしかないらしい
平賀さんは僕の首に舌を這わせた
尻を揉んでいた手の人差し指は、割れ目に沿って
往復している
「ああ、いやらしい体だなあ本当に、
お尻が大きくてスキニーパンツがキツかっただろう?思わず何枚も撮ってしまった。全部現像して家に飾ってあるよ、七瀬君専用の部屋を作ったんだ」
血の気が引くのを感じた
やたらと後ろ姿を撮りたいと言われた日を思い出した
「一人の子だけのために一部屋を使ってしまうなんて初めてだよ。君は恐ろしい子だなあ。初めて君を見た時からずっと決めてたんだ。次に俺の家に住んでもらうのは君にしようって。家に来れば何もしなくていいからね。朝昼夜のご飯は俺が用意してあげる。掃除も洗濯も全部してあげるからね。君はベットでずっと寝ていてくれれば、俺が着替えも手伝うし風呂にも入れてあげるよ。ただし服は俺が決めたものしか着ちゃいけないよ。部屋から勝手に出るのも禁止。俺以外と連絡とるのもダメだよ。はぁ…」
平賀さんの僕の腿に擦りつけていた股間から白っぽい液が滲み出る
それを指ですくい、僕の口に突っ込んだ
「んぐっ」
「あああ、嘘みたいだよ。七瀬夕紀が俺の精子を舐めてるなんて。さっきの男は執事なんだって?知ってるよ、夕紀のことは何でも。朱鷺和学園の3年7組28番、血液型B型、靴のサイズ27.2センチ、身長176.3センチ、趣味は読書、ピアノ、音楽鑑賞、
朝は5時45分に起きてバタートーストと紅茶を飲むんだってね。いつから早起きになったんだい?今までは7時起きだったのに、ああそうか、白鷺家に移ってから執事にそう躾られたのか。嫌だなあ。
あの執事にどうしてそんなに従順なんだよ。
もしかしてそういう関係だなんて言わないよね。