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触って、七瀬。ー青い冬ー

第21章 湖上の雫


そういえば指につけてたリングはもう見つかったの?お友達からもらったんだよね、彼は今どこにいる?もっと話を聞きたかったんだけど一発腹を殴られてから怖くて近づけないんだよ。彼って未成年なのに売春して稼いでるんだってね、いけないよあんな奴とつるんでいたから君のピアノの先生だってあんなことになってしまったんだよ。でも大丈夫だよ、これからは俺が夕紀を守ってあげるから、もう他の誰とも関わらなくていいよ。俺と無理に話そうとしなくていい。モデルの仕事だって嫌なら辞めてもいいんだよ、俳優も無理強いはしないさ。他の子には仕事をしてもらっているけど、夕紀は特別だよ。そんなに仕事が嫌なら俺が養ってあげるからね」

手がネクタイを解いた
足が震えた

ボタンが一つ一つゆっくり丁寧に外されていくのに
逃げようとも抵抗しようとも考えられなかった

どうやって逃げるのか抵抗するのか
体が忘れてしまったみたいだった
信頼できる仕事仲間だと思っていた人は
今僕の胸にしゃぶりついていた

「はぁ、綺麗なピンクじゃないか、
もっと赤いと思っていたよ、はぁ、」

赤ん坊みたいに乳首を吸っている
僕は今失望する暇もなく探していた
今までこの人を信頼できる大人だと信じ切っていられた理由を

「動画を手に入れたんだよ、君の執事の持ってるセックステープ」

何、だって?

「ずっと見ていたら君の性感帯が全部分かったよ。
耳と首筋と脇の下と背筋と腰、もう殆ど全身だね。
でもここは特に反応が良かったよね」

手が腰を抱くように後ろへ回る
背側の腰周りに指が立つ

「っ、!あっ、」

「ここだよね、いいところ」

こつん、と骨盤に響く振動

「ん、っ…ふ、っ!」

「ここだよ、ここ」

桃屋が寝るたびいつも腰のあたりをくすぐるから
少しくすぐったいだけだったはずが

むず痒い痺れに変わって
しまいには指が触れるどころか

くすぐられる想像をするだけで力が抜けて
足が震えて甘くイくようになってしまって

その感覚に夢中になった上
所構わず、想像しただけで発動するものだから
余りにも恥ずかしい癖がついてしまったと思った
だから治そうと、思ってたんだ

「ああ、本当に少し指で触るだけで感じるんだね、
ほら、お腹がひくひく動いてるよ」

壁に背中を押し付けてなんとか体を立たせていた

「あ、あ、っああ、」

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