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触って、七瀬。ー青い冬ー

第22章 白銀の砂


空に花火、落雷
体に落ちて、感電して体は飛んでった

「ふぅ、ふ、ふぅ、っん…ん」

宙に浮いている
ここは宇宙
星が見える
息は吸えないから吸わない
音が聞こえないから聞かない

「…せ」

体が動かせないから動かない
でも心は自由で楽しくて笑ってる
心地いい

くすくすと笑ってしまうような楽しさ

「…せ、七瀬、こら戻って」

戻る?
バシン、て固いので叩かれる

「ん、はぁあっ」

袋にあったベルトだった

「気抜くと飛んでくよ。
俺置いていったら…呪うからね」

紘は夕紀の目を捉えようとしたが、夕紀は目を閉じたまま顔を左右に揺らした

「…ん、?」

よくある症状で、こうなると危険な合図。

「駄目かな、…七瀬、俺のこと分かる?」

夕紀は少し目を開き、ふにゃりと笑って呟く

「…きれいな顔」

夕紀は赤子が玩具に手を伸ばすように紘の首に手を回した

「…はやくいれて…兄さん」

へ?

「っ…」

夕紀は紘の首にキスをする
紘は驚いて体を固まらせる

「あ、あのさ…七瀬?」

ここに来て、俺の自制心が顔を出す
まだ死ぬと決まったわけでもないのに?
この先兄弟としてやっていく将来もあるのに?
今更、と思いつつ…まだ死にたくないのか俺は


「だめ…?じゃ、ないよね…っ…」

甘い。

「七瀬、ちょ、落ち着きなよ」

ただ、そう、自分がここで引き下がるのもおかしな話だ
突然積極的になったのは薬のせいとわかりつつ、
イヤイヤ期の子供が突然素直に受け入れるどころかお手伝いまでしてくれる孝行息子になったもんだから…って俺は親か?

そうこうするうち、夕紀は順調に紘を絆していく

「い、いい?も…も、がまん、できな…から…ぁっ…!」

はあ、はあ、と荒い息遣いは耳にかかる
沸騰したように熱い体
汗で滑る手、密着すると擦れる互いの秘部

七瀬は首に抱きついたまま、無意識にそことそこを擦り付けて腰を艶やかに動かす

「ん、はぁっ、きも、ち…っ…ね、ね?」

「っは、何?いきなり、っ、やる気だね…」

クソが…なんでそんな腰振って発情しまくってるくせに可愛い顔してんだ
中身、ただの猿じゃ?
…いや、どうでもいいかわいい。

これは、いじめるしかない…
俺の自己制御が効く限り…

「イき…、そ、っ…!い、いい、ですか…?」

ああ駄目、俺ももう犯したい。

「駄目」

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