触って、七瀬。ー青い冬ー
第22章 白銀の砂
夕紀は嬉しそうに腰を揺らした
「どうしよう、七瀬…
俺も欲情して我慢できそうにない」
紘は夕紀の唇を撫でた
唇同士のキスが特別なもので、
体を重ねたりお互いの体で感じ合ったり求めあったり性的欲求を満たすこととは一つ違うものであることは知っていた
「っ…」
夕紀は紘の指に舌を絡めた
「俺は禁忌を犯してるつもりはないよ
だって父親が同じなだけだ
兄弟じゃないっていうこともできるんだから」
紘はベルトを外した
「それにこれは恋愛感情じゃない
ただの性欲だよ、そうだろ」
夕紀の股を開き、潤滑剤で穴を濡らした
指を入れると、吸い込むようにそこが締まっては緩み中の暖かさを感じた
「ふー…♡ふー…♡」
夕紀が息をする度に中も動く
「だから七瀬を犯しても問題ない…」
指を入れるのにもう躊躇いはなかった
指に対しての穴の小ささに少し驚いたのと
そこにもっと大きいものをねじ込むことが
もっといけないことのように思った
「はぁ…」
七瀬が息を吐くと、指がずぶずぶと中に入る
「教えて、好きな場所」
額を合わせると、七瀬はもっと奥、と言った
「痛くないの」
大丈夫、と言うから指を押し込む
確かにきつくはあるが滑らかだ
腹の内側の膨らみに指を沿わせて撫でると
七瀬が息を止め、唇を噛んだ
「ここがいい?」
七瀬は目を閉じたまま睫毛を濡らした
どうしてそんなに感じながら悲しそうな顔をしているのか、不思議だった
平賀というカメラマンに無理にされそうになったとき、
電車で痴漢に触られたとき、
どっちの時にも見えなかった顔だ
「そこ、…だめ」
「ここがいい?」
七瀬は首を振るが、指をもう一つ増やして
人差し指と中指を交互に動かして
絶え間なくそこを撫でたり押し潰したりした
七瀬は声を出さないまま何度か背中を反らせて
腰を跳ねさせて指先を震えさせた
「だ、め」
男が後ろでイくのを見たのは初めてじゃなかった
だからわかったのかもしれないが決して故意にコントロールできたのではなかった
「今の、イったの?」
七瀬は首を振ろうとしたのか頭を揺らして
でも多分視界が歪んでいて首を振るのも辛いかもしれない
だから指は抜いてもう済ませようと自分のをあてがった
想像以上に自分も慣れていた
七瀬は顔を隠してしまった