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触って、七瀬。ー青い冬ー

第6章 寒空の吸殻







「先生…先せ…」


僕は何で突き放してしまわなかったんだろう。



「っぐ…うっ」


「やめてください!」



「この野郎…この野郎!」

父は先生に馬乗りになった。



僕は何で、先生を許してしまったんだろう。



僕は先生を守れなかった。
震えながら電話をかけるしかなかった。


先生は救急車で運ばれ、
父はどこかへ連れていかれた。


「先生…先生…」

僕はその夜、泣いているしかなかった。




先生の命に別状はないと聞いても、
僕の涙は止まらなかった。






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