
俊光と菜子のホントの関係
第2章 『俺と菜子』
「んふふー」
「な、何だよ。まだ笑うのかよ」
「……さんはいっ、ハッピバースデートゥーユー、ハッピバースデートゥーユー……」
げっ! 菜子のヤツ、歌まで歌い出したぞ! しかも指揮付きで。
あーほらっ。周りの客にも聞かれて見られて笑われてるじゃねえか。
今度は違う意味で気恥ずかしい。
「バカ、こんな所で歌うなっ。みんな見てるぞっ」
「いいじゃん、おめでたいことなんだからー。みんなにも幸せをおすそ分けでーすっ」
『お前、頭のてっぺんに花でも咲いてるのか?』とツッコミたくなる陽気なテンション。
「あぁ……もう勘弁してくれよー……」
今日の俺、ずーっと妹に振り回されっぱなしだ。
