
俊光と菜子のホントの関係
第9章 『勝手にジェラシってる』
「……菜子ちゃん、また髪伸びたよね?」
ふと、晃君が私の髪を眺めて言った。
「あ、うん。理想のセミロングにはまだまだだけど……」
明里がカットに失敗してから半年以上。その間、晃君がたまに整えてくれたりしている。そのおかげで私の髪は、やっと肩に付くかつかないかぐらいにまで伸びたんだよねー。
「前に整えてから1ヶ月ちょいかぁ……。もうちょっと伸びたらさ、また切らせてくんない?
今度は、この辺をハサミですいて毛先を遊べるようにしたら、アレンジしやすくていいかもなー」
「へぇー……」
晃君は私の髪を少し手に取り、髪質を見定めた。
スゴい、晃君。目付きがカリスマ美容師さんみたい。さすが、プロのお墨付きなだけあるなぁ。同い年なのに、尊敬しちゃうよー。
