
俊光と菜子のホントの関係
第2章 『俺と菜子』
朝、玄関先で父さんと母さんを見送ろうとしていた。
「じゃあ俊光。あとはよろしくね」
「あぁ」
「出掛ける前に、菜子の様子を見てくれよ」
「わかってるって」
「たぶん、大丈夫だと思うけど……まだ寝てたら、カギをかけてあげてね」
「はいはい」
たくっ……細かいなー。
「じゃあ、いってくるな」
「はいはい、いってらっしゃーい」
いい加減早く行けよと思いながら、追い出すようにして見送った。
やれやれ。やっと出かけていったし。
しかし菜子のヤツ、大丈夫かな?
階段を通じて上の階を伺う。起きてくる気配はなさそうだ。
今九時か。もうちょい経ったら様子を見に行こ。待ち合わせまでまだ時間もあるし。
