
俊光と菜子のホントの関係
第14章 『俊光君への兄(本命)チョコ』
「んー、確かにね。赤いハートってそういう意味もあるから。だから本命チョコとして売られているんだろうね。
けどさぁ……俊光さんって鈍いから、こんな堂々とした本命チョコでも、ただ『ありがとうなー』つって、呑気にニコニコとしながら受け取りそうじゃない?」
「くぷぷっ! それ、あるかもー」
それに……これで本命チョコあげるの最後なんだから、これぐらい気合いの入った物をあげても許されるよね?
よーしっ! 私、清水の舞台から飛び降りちゃうよ!
「ありがとう明里! 私これにするっ!」
「うんうん、その意気その意気!
さてと……ワタシも智樹さんに何を買おうかなー?」
「智樹さん? それって……本命?」
「そんなわけないじゃん。ワタシにとって智樹さんは、憧れの存在ってだけなのよ? アイドルにあげるみたいな感覚よー。
だから渡しに行く時は、菜子も一緒に付き合ってよぉ?」
「うん、もちろん!」
俊光君……このチョコ、喜んでくれるかなぁ……? えへへ、今からドキドキしちゃう。
