
俊光と菜子のホントの関係
第14章 『俊光君への兄(本命)チョコ』
時間が経つにつれ店内も更にごった返してきたから、買い終わった私は先に外に出て、みんなを待つことした。
んふふー。俊光君の兄(本命)チョコ。明里のおかげで、いいのがゲット出来ちゃった!
それと……お父さんへの父親チョコと、明里達への友チョコ。
あと、いつも髪を切ってくれる晃君へのお礼チョコも買ったと。うん、これで抜かりなし!
紙袋の中のチョコ達を覗いてホクホクしていると、
「なーこちゃん!」
「……ん?」
昨日も聞いたばかりの、弾んだような声が耳についた。
紙袋から顔を上げたら……あ、やっぱり!
明里にそっくりの、砂糖菓子みたいな甘い顔をしたフワフワショートボブの男のコ。手を振ってこっちへ歩いてきた。
「晃(ひかる)君、偶然だね! 晃君も寄り道?」
「そっ」
私達と同じ、学校帰りの晃君だった。今考えてたところでちょうど現れたからビックリ。
晃君は青い学ランの上に、ネイビーのダッフルコートを着ている。校章っぽいのが左腕についてるのは、学校指定のコートだからなんだろうね。
