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俊光と菜子のホントの関係

第21章 『大事にしたい。なのに……』


「で……どうなの? そういうことなの?」


 菜子が、逃げた俺の腕をまた捕まえて、質問の答えをせがむ。だから、それをされると胸がっ……。


「そっ……そうだよっ! お前と『オーマイガー!』をしたくなるってことだよっ!」

「ひゃー! 俊光君、しぃーっ」

「あぐっ」


 リアルに柔らかい胸にテンパり、つい荒げた声で菜子語を発してしまった。菜子も慌てて俺の口を塞ぐ。

 二人で用心深く耳を澄ましてみる。隣の部屋は、物音一つもせずに静かなまま。結構なボリュームだったが、父さんと母さんを起こすまでには至らなかったようだ。


「もーう、俊光君の天然」

「ごめんな、つい……」

「でも……」

「ん?」

「俊光君がオーマイガーをしたくなるって思ってるんなら……それでも、いいよ」

「は?」

「私も、俊光君とオーマイガーしたいって思ってるから……したくなっても、いいよ」

「っ!?」


 頬を赤らめてポツリと言う菜子に、俺はまた仰天して吹いた。


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