
俊光と菜子のホントの関係
第28章 特別編『菜子の誕生日お祝いデート(後編)』
もうちょっとゆっくり入っていたい気もするけど、土左衛門になっちゃうのを避けるためと、俊光君の浴衣姿を早く見てみたいのとで、温泉から上がることにしちゃった。
基本的に、寝る時はノーブラ派の私も、今夜だけはブラをしっかりと装着。
迷いに迷って選んだ百合柄の浴衣も着こんで、羽織(はおり)という物もはおって、温泉から出たばかりでまだ熱いから髪をひとまとめにして、ロビーに出た。
俊光君は長風呂タイプじゃないから、先に出てて待ってるよね? えーと、俊光君、俊光君はーっと……。
キョロキョロして探すと……いたっ。ソファーに座ってスマホいじってる。
「俊光君っ、お待たせーっ!」
声も足取りも弾ませながらそばに来たら、
「……おう、菜子。思ったより早かったな」
「っ……!」
あまりに衝撃的で、持っていたお着替え袋を、床にドサッと落としちゃった。
わっわっわっ、わぁーーーーっ!
俊光君の浴衣姿……めちゃくちゃ渋くて、めちゃくちゃカッコいいーっ!
私が選んだ、無地の藍色の浴衣。それをさらりと着こなす俊光君は、私の妄想を遥に越えちゃっている。
このカッコ良さはっ……全米が泣いちゃうレベルだよぉーっ!
