テキストサイズ

俊光と菜子のホントの関係

第28章 特別編『菜子の誕生日お祝いデート(後編)』



 電気消されて暗くなっている部屋の中で、私は一人、ボー然ア然状態。

 眠っちゃう前まで私とチュッチュしていた俊光君は、隣のお布団で背を向けて、スースー寝息を立てて眠っている。

 時計の針も『今は早朝の四時だよ』と教えてくれていて、窓のお外のお空も、うっすら明るくなってきている。


「…………」


 何ということなんだろう。目の前の俊光君を置いて、すうーっと眠りの世界へ行っちゃってたなんて。数分だけならまだしも、ガッツリ六時間も寝てたって、どんだけぇっ?

 いくら美味しい物をお腹いっぱい食べたからって、

 温泉が『はぁー極楽極楽』だったからって、

 疲れ果てちゃうまで、どっぷりピンポンにハマリ込んでいたからって、

 フカフカお布団も、俊光君の温もりも、とても心地良かったからって……

 大事なとこで簡単にコロッと眠っちゃったりするぅ!? 

 うわぁーん、違う意味で『オーマイガー!』だよぉー!

 ……でも、違う意味で『オーマイガー!』って叫びたかったのは、置いてけぼりにされた俊光君の方だよね。

 俊光君、きっとすごく怒ってただろうなぁ。背を向けて寝るぐらいだもん。私の姿すら、もう1ミリも見たくないのかも。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ