
俊光と菜子のホントの関係
第28章 特別編『菜子の誕生日お祝いデート(後編)』
「もう泣くなって」
「ひっぐ。だって、私のせいで、オーマイガーのやり直しがぁー……うぅー……」
「なら、今からでもしようか。
オーマイガーのやり直し……の、やり直し」
「へぇっ!? い、いいの? 俊光君、朝に弱いのに」
「昨日も今日もこの時間に起こしといて、よく言うよな」
「うぐっ……」
また申し訳なくなって言葉がつまると、俊光君はキラキラと笑いながら『嘘だよ』と頭を撫でてくれた。
あーもう。ホントに、好きすぎて困っちゃうよ。
「……菜子、」
「っ、あ……」
キスされる。
けど1センチ手前のとこで、
「あっ、ちょっと待ってぇ!」
「もがっ!」
俊光君のお口を、手で押さえた。
そうだそうだ、俊光君に『アレ』を渡しておこう!
私の突然の拒みに訳わからなそうにする俊光君。起き上がった私は、それを『あらよっと』と軽やかに飛び越えると、今度は自分の荷物に飛びついて、ガサゴソと漁った。
えーと、えーと……あっ、あったあった。コレコレ!
「俊光君っ。はい、どうぞっ!」
「いっ!?」
私はハリキって、『0.01』と書かれた真四角の個包装を一つ、俊光君に差し出した。
「最初は『ズドンする寸前で渡せばいいや』と思ってたんだけど。考えたら、今のうちに渡しておいた方が、俊光君が瓜にすぐセット出来るもんね!」
「おっ、お前なぁっ……!」
「あ、ごめんなさーい。やっぱり、あとの方で渡すのが良かった?」
「そうじゃなくてっ……あんまり煽るなってばっ」
「へぇ? っ、んあっ……」
前触れもなく、俊光君がお口でお口を深く塞いできた。んで、舌で舌を絡ませてきた。
ベロベロチューの気持ち良さで、クタクタのクラクラ。
「……これでまたグースカ寝たりしたら、俺は、今度こそ怒るからなっ」
「は……はう……」
こんな濃厚なことされたら、グースカ寝ちゃうんじゃなくて、興奮しすぎてガクッと失神しちゃうってば。
俊光君の、どバカ天然。
