
俊光と菜子のホントの関係
第28章 特別編『菜子の誕生日お祝いデート(後編)』
――布団の中に菜子を閉じ込めて、口を塞ぐ。
「んんっ、ふあっ……」
塞ぐたびに、特有の幼声をこもらす。
可愛い。
もう寝かさない。もう寝かしたくない。少しでもウトウトしたら、その持ち前のモチ頬を容赦なくつねって目を覚まさしてやる。
あんなに大事にしたいと思っていた菜子を、いざ目の前で閉じ込めると、そんな想いも、理性と共にすっぽ抜けてしまいそうになる。
オーマイガーを失敗して以来見れていなかった、お日様をたくさん浴びたような、健康的でクリアな橙色をした玉の肌。また一番近くで見たい。
高ぶる気持ちが俺を先走らせ、菜子がせっかく愛らしく着こなしている百合柄の浴衣を、そっと肌蹴(はだけ)させた。
「……あ。今日は、ブラジャーを身に着けてるのか」
って、つい口にしたのは、別にガッカリしたわけじゃなくて。先月のバレンタインの時は、すぐに素の肌があらわになったのを覚えていたから、勝手にノーブラなのかと。
「う……うん。ホントは夜はノーブラ派なんだけどね、お母さんが入れてくれたのが偶然、お気に入りの下着だったの。だから、俊光君にも見てほしくて……」
「え。俺に見せるため……?」
菜子は恥ずかしそうに、コクンと頷いた。
何だよそれ。
お前ってやつは、どんだけ煽れば気が済むんだよ。
