
俊光と菜子のホントの関係
第28章 特別編『菜子の誕生日お祝いデート(後編)』
「ふぁっ。あぁんっ」
硬くなっているのを口に含ませたまま、舌を這わせたり、軽く噛んだりしていく度に、菜子の反応がどんどん色づいていく。
今、夜はだんだんと明けてきてはいるけれど、旅館内はまだ寝静まっている時間帯だ。だから、甘えたそうに鳴く子猫みたいなあえぎ声だけが、耳の奥にまで響いてくる。
菜子とこういうことをしようとするのは二回目なのに、俺、一回目の時よりも、最後まで自分を保てる自信がない。
「あっ、んんっ……俊光君っ、待ってってばぁっ」
「そんな声を出されたら、待てるわけねぇだろ」
「うぅー。だって、だってぇー……」
「また駄々をこねるみたいに『だってだって』ばっか言う」
「だってぇー……」
「ほらまた」
「もーう、からかっちゃヤダぁー」
しょうがないだろ。時折からかったりでもしないと、俺がもたないんだから。
もたないぐらい、お前が可愛いんだから。
頭を撫でて唇を重ねると、今度は、手で直接胸に触れた。
「……うわ。お前の肌、スゲー潤っていてスベスベしてるのな」
「へえ……? う、うん。ここのトロトロ温泉の効果でから、そうなったんだよ」
マジかよ。参ったな。気持ちのいい柔らかさに加えて、肌まで潤ってスベスベって。こんなの、反則もいいとこだぞ。
「俊光君の肌だって、きっとうるうるでスベスベしてるよ?」
「え?」
「ほら」
菜子の手が俺の首元へ伸びたと思ったら、スルッと滑るように撫でられた。
「っ、ぬあっ!」
げっ。ゾクッとしたら、すんげーマヌケな声が出ちまった。
案の定、菜子がコロコロと笑いだす。
「あははっ。俊光君の反応、変なのー」
「お前がいきなり弱いとこに触れるからだろっ」
「いいじゃん別に。私ばっかり恥ずかしい声出してさぁ、ズルいんだもんっ。
浴衣だって、俊光君だけちゃんと着たままだし。私なんて、浴衣が肌蹴てブラもたくし上げられたままなんだよっ。俊光君もちょっとは脱いでよぉーっ」
「わっ、やめろって!」
コイツ、俺に無理矢理浴衣を着させたクセに、今度は無理矢理浴衣を脱がしにかかってきやがる。たくっ、どんだけだっつーのっ!
そして、これも必死の抵抗虚しく……ってヤツで、菜子に浴衣を「うぉりゃーっ!」と引き裂く勢いで肌蹴させられてしまった。
