
俊光と菜子のホントの関係
第4章 『私と俊光君』
お掃除のあと教室に残って、とりあえず、明里に髪型を任せてみた。
お手洗いの鏡で確認すると――
「うわぁ、すごーい! かなり凝ってるー!」
「ねー? だから言ったでしょー?」
後ろで一本にして結った編み込みヘア。ただの三つ編みお下げより断然オシャレ。しかも、しっかりやったあと軽くほぐしてあって、なんかゆるふわな感じ。
思わぬところで、明里の意外な才能を目の当たりにしちゃってビックリ。『はなから〝不器用だから〟と決めつけて不安がっちゃってごめんなさい』って謝りたくなっちゃったよ。
「お父さんからマネキン借りて、よく練習してたりするんだよねー」
「へぇー、だからこんなに上手なんだー。これなら毎日してもらいたーい。自分じゃ、こんな凝ったの出来ないもん」
「じゃあさ、簡単なアレンジからしてみたら? ただのお下げとかやめてさ。菜子は愛らしい顔をしてるんだから、いろいろ似合うと思うよ?」
「そうかなぁ……。そんなら、簡単なのからやってみようかな?」
服といい髪型といい、私どんどん可愛くなっていくみたーい! なんて、自分で言ったりして。
