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俊光と菜子のホントの関係

第4章 『私と俊光君』





 登校して教室に入ったら、明里が飛びついてきた。


「菜子、やるじゃーん! 三日間連続で髪型変えたりしてさぁ」

「ふふふっ、明里のおかげだよー。まるで、自分が生まれ変わったみたい!」

「でっしょう?」


 こんなに楽しくなるなら、もっと早くすれば良かったー。


「……へっ。いくら髪型変えても、中身は一緒じゃん」

「むっ……」


 そのムカつく声は――やっぱり山田だ。


「ふん。何度でも言えば? それに、もうお下げはやめたから引っ張ることも出来ないでしょ。残念でしたー」

「別に、引っ張れなくても――」


 バシッ!


「いった!」

「背中を叩くことは出来るんだぜー」


 ムカッときて文句が喉まで出てきてたけど、それをゴクンと飲み込んで堪えた。

 ……ふーんだ。いつもならここでケンカするところだけど、オシャレに目覚めたことによって、大人への階段を数段のぼった私。だから今は、気持ち的に余裕なんだもんねーだっ。


「あっそ。勝手にすればぁ? 私はもう、あんたとケンカとかしないから」

「はぁ?」

「いつまでも子供じゃないもんねー。したきゃ、勝手に一人でやってればぁ?」

「なっ……あ、そうかよっ! ふんっ」


 あーらら。すねて行っちゃった。

 んふふ、山田に勝ったー。あー気分がいいー。


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