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俊光と菜子のホントの関係

第4章 『私と俊光君』


「……あ、そうだ! ねぇ菜子。もう10月になったしさ、そろそろハロウィンの衣装とか考えない?」

「あっ、ホントだね。仮装してイベントに参加するって、私初めてだから楽しみー」


 明里は去年も参加したみたいで、今年は私も一緒にって誘ってくれたんだー。


「そしたらさぁ、今度の日曜日って空いてる? 早めに衣装を偵察しておこうよ!」

「いいねー、行こ行こ! えーと、今度の日曜日って何日?」


 教室のカレンダーをよーく見た。




『5日』かぁー……

 え? 『10月5日』?


 …………あーーっ! 時間差で思い出したぁ!


 危ない危ない。もー、私としたことが。呑気に用事を入れちゃうところだったよぉー。



「明里、ごめんっ。今度の日曜日はダメなのっ」

「え? そうなんだ。何か用事でもあるの?」

「うん、これから用事を作る予定!」

「はぁ? なんのぉ?」

「それはー……まだ内緒! えへ」

「あ、そう……。ま、別の日でもいいけど」

「でしょ? 別の日にしてっ」

「……なーんか上から目線に感じるけど、憎みきれないのが菜子の愛らしさの強みよねぇー」



 だって、10月5日は――特別な日だから!


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