
俊光と菜子のホントの関係
第4章 『私と俊光君』
「じゃあ……お願い!」
頭を下げながら、パンッと手を合わせた。
「お、お願いって?」
「今度の日曜日……原宿まで買い物につき合って!」
「えっ、お前の買い物にか?」
「そう!」
「何で俺なの? 明里ちゃんはどうしたんだよ」
「明里はとりあえず置いといてー。私は、俊光君と買い物がしたいの!」
「マジかよ。俺が買い物に全く興味がないのを知ってるだろう?」
「知ってるけど、それでもお願いっ!
原宿って、人がわちゃわちゃと多いから、俊光君と一緒の方が安心なの。だから……ね?」
粘り強くお願いした結果――
「……しょうがねぇなぁ、わかったよ」
「っ、わーい! やったぁ!」
やれやれって感じだけど、誘いに乗ってくれたー!
『俊光君の記念すべきセブンティーン誕生日お出かけ権』
見事ゲーット!
