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俊光と菜子のホントの関係

第4章 『私と俊光君』








「……てな感じで、昨日は最初から最後まで、ずーっと楽しく過ごせたんだー」


 中学のお昼休み。明里と机を挟んで、今――

『記念すべき俊光君のセブンティーン誕生日を、どう過ごしたか』

 を、説明していたところなんだー。


「へぇー、なるほどねぇー。要は、俊光さんを独り占め(ひとりじめ)してたってワケだ」

「そう……とも言うね。えへっ」


「菜子の兄ラブの強さには、ホント脱帽もんだわー。
 まぁ、あの俊光さんなら、妹が夢中になって誕生日を一緒に過ごしたいって思うのも無理ないかもねー。性格いいし、結構イケメンだし……
 あれ? こんな会話、前にもしなかった?」


「そうだっけ? それって、私があまりにも俊光君の話ばっかしてるから、似たような会話がずっと続いちゃってるのかもねー。
 にしても……まさかこんな物まで貰えちゃうとは思わなかったよー」


 えへへ。これ、ホント可愛いなぁー。

 ピンク色の花モチーフと白いパールがついたヘアゴム。

 中学では飾り物は付けられないから、明里に見せるために持ってきただけ。
 

「ふーん。『誕生日プレゼントのお礼』とかいって。俊光さんも、妹の心を掴むのがうまいよねー」

「たぶん本人は、その自覚がないと思うんだ。天然だから」

「あはは、それなー」


 そう言ってくれたことも嬉しかったんだけど、もう一つ……胸キュンな出来事があったんだよね。

 それは――


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