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俊光と菜子のホントの関係

第4章 『私と俊光君』




(……わぁ、このヘアゴム可愛い。いいなぁー)

(ふーん……。じゃあ、買ってやろうか?)

(えっ、ホントに? いいのっ?)

(いいって。そんな高いもんじゃねぇし。
 誕生日プレゼントのお礼)

(わーい、やったぁー! ありがとう!)

(……菜子。ちょっと、それかして?)

(うん)


 あの時、そのままレジに持っていくのかと思ったら……

 私のキャスケットを取って、ヘアゴムを髪に添えて――


(…………うん。いいじゃん。似合ってる)


 って。


 キャーーッ! こんなの恥ずかしすぎて、明里にも言えなーい!

 あれを自覚なしにサラッとやるなんて、俊光君ってホント天然ー!


 ゴンッ!


「っ、いだぁ!」


 机に思いっきりうっぷしたら、デコ打っちゃった。


「菜子っ、大丈夫!?」

「う、うんっ。思い出したら堪らなくなっちゃって、つい……」

「だからって、そんな赤くなる程打ちつけなくてもー」

「そ、それなー。えへへー……」


 はぁー……腕を組んでデート気分に浸ったり、プレゼントをもらったりで……。

 これじゃあ、どっちの誕生日かわからないよ。


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