
たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第2章 佐倉武
「そんなんでさぁ……何でつき合ってんだよ。夕崎にも失礼だし。
何? 誰でも良かったけど、いざつき合ったら別れたくなって、けどなかなか言い出せずズルズルと……ってとこだろ」
「なっ……ヒドいっ……」
「ヒドいのはお前だろ?」
「……っ、うっ……」
実果留は図星を突かれたのか、あからさまに顔を歪ませた。
泣かす。
けど……この嫉妬は、今の体調では止められない。
「お前、そんな尻軽だったっけ? 好きでもないヤツとつき合うようなヤツだったっけ?」
実果留の顔がますます歪む。本当に泣き出しそうだ。
それでも俺は、もうやめられない。
俺だって辛くて仕方ないんだよっ。他のヤツと付き合う実果留なんて、これ以上見たくもねぇしっ。
「もう……やめろよ。そんなに別れたいならさ、もう別れちゃえばいいだろ――」
「そんなことわかってるよっ!!」
実果留の怒鳴り声に、今度は俺が震えた。
っ、実果留っ……。
実果留は――止めきれなかったであろう涙を、目からポロポロとこぼしていた。
とうとう泣かしちまった……。
胸が、ズキン……と痛んだ。
