
たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第1章 杉並実果留
「――実果留さーん。まだ頬が痛いんですけどー。どうしてくれるんですかぁー?」
駅に向かってつかつかと先を歩く私に、武はダラダラとダルそうに付いていきながら訴えてくる。
「うるさいっ! この、変態っ!」
どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよーーう!!
武に……むっ……胸を触られるなんてっ!!
「しょうがねぇだろう。肉まんだと思ったんだから……」
「ちょっ……デリカシーなさすぎ! 胸を触られたんだよ!?
『肉まんだと思ったのなら、しょうがないよねー』って、簡単に笑って許せるレベルじゃないの!」
あぁダメ! まだドキドキするー!
こうして怒ってないと私、
武を意識しすぎちゃって、黙りこんじゃいそうだよー!
