
たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第6章 佐倉武・最終話
「今の風、すごかったねー。あーあ、髪がバッサバサー」
実果留は苦笑いをし、手ぐしで髪をとかした。
実果留……気づいてない。
俺が、そのしるしを見たことにも、
そのしるしが……自分についていることにも。
じゃないと、そんな首元があいたブラウスは絶対に着てこない。でも、気づけないのも無理はなかった。やや後ろ側の位置についてるから、正面からは見えにくい。きっと、鏡で自分を見たって気づけない。
そして、それをつけたのは多分……
いや、絶対に――
