テキストサイズ

たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―

第6章 佐倉武・最終話



「ごめんっ……って、こんなこと、謝って済むことじゃないのはわかってるっ。
 寝ぼけていたとはいえ、実果留にそんなこと……ごめんっ」

「武……」

「だけど……決して、ただの欲求不満だったわけじゃない。誰でも良かったわけじゃない」

「…………」

「実果留だけだっ。キスしたいとか、押し倒したくなるとか……たまらなくそんな気持ちになるのは、実果留だけなんだよっ」

「えっ……」



「俺……実果留が、好きなんだ……」



「っ……武っ……」



「初めて会った時から……ずっと……」



「あ…………」



 ずっと胸の内で留めていた想いを、ぶつけるように伝えると――


 実果留の目から、涙が流れ落ちた。


 実果留……。


 っ、俺まで泣いてしまいそうだ……。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ