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エイリアンの女

第1章 碓氷峠

「おい、どうなってるんだ?」
 女の顔を見る。女は笑って真琴を見つめていた。おまけに、変な方向に向いていた首もいつのまにか正面を見ているではないか。
「あんた、あたいの秘密を見たね」
 女の低く地を這うような声に、真琴の背筋に悪寒が走った。きっと、化け物に違いない。真琴は呆然と立ち尽くした。金縛りに合ったように体が動かせない。ここから早く逃げなければ、そう思っても恐怖で体が動かない。蛇に睨まれた蛙と同然だ。寝転がっていた女の上半身がスーと難なく起き上がった。
「やっぱり、かなりのダメージだったみたい。傷を回復するためにかなりのエネルギーを使ってしまったわ。ねえ、エネルギー補充しなくちゃいけないわ。あたしがエイリアンということは、秘密よ。しゃべったらただじゃおかないわ」
 女の片手が真琴の頬に伸びてきて、そっとなであげた。真琴は体を硬直させた。女の両手が真琴の頬を包んだ。女の顔が真琴に近づいた。真琴は死を覚悟した。目を閉じ歯を食いしばった。
 真琴の唇に暖かで柔らかな物が触れた。さらに驚いた真琴が目を開くと、女が唇を重ねていた。真琴の口の中に女の舌が滑り込んできた。真琴は女の背中を両手で包んだ。ほっそりした体がわずかに震えていた気がした。
「あたしのこと、由美子って呼んで。あんた、名前は? 」
「…マ、真琴」
 由美子は真琴の革のつなぎのジッパーを上から徐々に下げ始めた。すでに、由美子の舌技による心地よい刺激で、真琴の下半身は怒張していた。その怒張したものを由美子は手のひらですっぽり包んでからそっとつまみ出した。由美子は近づけていた顔を下げていきひざまずいた。真琴の局所が暖かなものに包まれた。由美子の頭が上下するにつれ、真琴はどうしょうもない快感に包まれていった。真琴は行きそうになり、由美子の頭を押さえつけた。雄叫びを上げながら真琴は絶叫して果てた。今までにない快感だった。真琴は、初めてエイリアンと交わった。

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