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官能マシン

第1章 官能マシン

 ピピーピピーピピー、
 職場の机で、パソコンを打つ信一の傍で例の携帯電話の呼び出し音がまた鳴った。
「あ、あれー、おかしいわ。メッセージが入っていない……壊れたのかしら? 買ったばかりなのに……」
 慶子はそんなことを言っていると、またベルが鳴った。
「今度はちゃんと入ったわ」
 いつもの快活な慶子に戻った。そして、5時の終業ベルの音と同時に、いつもの調子で慶子は、席を立つと足も軽やかに消えていった。今日の慶子は絶好調と見えて、腰の振り方は実に色っぽくクネクネと男の視線を誘惑していた。
 慶子が部屋から消えてしまい、また、殺風景な詰まらない事務室に戻った。信一は慶子の独り言が気になった。
「……まさか、俺の携帯の着信音か?」

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