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幸せな報復

第25章 御手洗貞子

 しかも、総次郎は海星とはビジネスを通じて顔見知りらしい。

 貞子は不安になった。

 それでも、まだ正しく統制された行政があり、政府機関が機能している。

 今なら、何か手を打てるかもしれない。

 そしてもう一つ。

 宗男から聞かされた、沢子たちの正体――。

 けだもの族。

 人間に知られることなく、長い間ひっそりと生きてきた種族だという。

 その力は、貞子には想像もつかない。

 実際、海星一人の力で、けだもの族の四人が瞬く間に倒されたというのだから、その話だけを聞けば、まるで悪夢のようだった。

 貞子は、初めて聞かされた沢子の生い立ちを、どうしてもすぐには信じられなかった。

 二十一世紀の今になって、けだもの族が存在する。

 遺伝子操作によって生まれた怪物までいる。

 どれも空想科学小説の中に出てくるような話だ。

 まさか、それが現実に起きているなんて……。

 貞子は、茶室の中にいる沢子と娘を見つめながら、複雑な思いを抱いていた。

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