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「好きです。付き合ってください」

第9章 創作「好きです。付き合ってください」

「いや、そうでもないかもよ?」

「…と、言いますと?」

「岡Pが、めちゃくちゃ成績優秀、なのは知ってるよね?」

「けっこう有名だよね」

「で、その岡Pと由紀子が付き合うことになった」

「うん」

「今までは3人で科目を分担して勉強して、それを写し合ってきたけど、これからは4人で勉強会をすれば岡Pが全部教えてくれる」

「…それは、虫が良すぎない?岡本くんにメリットなさすぎ」

「メリットなら、ある。彼女と一緒にいられる、というメリットが!」

「それなら由紀子と二人で勉強会すればいいだけの話で、私ら、完全にお邪魔虫じゃん」

「やっぱそうなるかーー。あ、じゃあさじゃあさ、まずは由紀子が岡Pに教えてもらって、その後、俺らが由紀子から教えてもらう、の二段階方式でやったらいんじゃね?」

「おぉー!!鈴木、天才!たまにはいいこと言うじゃん!」

「俺は基本、『いいこと』しか言ってないつもりよ?」

玄関で靴だけ履き替えたまま、長々と立ち話、してると…。

「あー、いた!!なっかなか出てこないから、もう先に帰っちゃおうかと思った!」

鈴木のお母さんだ。

「……まさか、親を待たせてたの?」
「いや、遅くなるから先に帰ってていい、って行ったんだけど、待ってたんかな」

「あらっ。えーと? …か、彼女さんかしら?」
「ちげーよ」

「あの…。佐々木です。お久しぶりです」
「えーっ!?ゆみちゃんなの?!まぁ~~~。お姉さんらしくなって」

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