
「好きです。付き合ってください」
第9章 創作「好きです。付き合ってください」
「気の利いた告白セリフが何かないか、と悩んでたじゃないか。新しい演劇の台本でも考えてたんじゃないのか?」
「あの……もしかして、私、声に出してました?」
「出てたぞ」
…どこから声に出てたんだろ?
「あの、なんて言ってました?」
「気の利いた告白のセリフ、何か…ぐらいのことを呟いたあと、しばらく唸ってたぞ。最終的に『わからん』って叫んでたから、一例として出してやったのだが」
「えっ……叫んでました!?」
呟くレベルじゃなくて叫んでるレベルまで声量が出てたの!? それは、ちょっと恥ずかしい。
「先生、私、演劇部は3年の文化祭後に引退したので、今はもう台本考えたりとかは…」
「なんだ、お前の脚本はけっこうおもしろかったのに。高校では演劇部に入らないのか?」
「えーと…。高校での部活のことはまだ考えてなくて」
「そうか。君の進学先は、確か…嶋川高校、だったかな?」
「はい」
「あそこは…文芸部が強いぞ」
……文芸部が、強い?!運動系の部活とかならともかく、文芸部に強いとか弱いとかあるの?!
「在学中に文学賞をとった生徒がいたはずだ。あと、文芸部の卒業生たちは出版社への就職率も高いし、小説家になった卒業生もいるよ」
「高卒で出版社に入るんですか?」
「そういう子もいるし、まずは大学に進学して、その後就職、というケースもあるが、大卒の子でも高校時代に嶋川の文芸部に所属してた、というのが評価されて就職が決まる子が多いんだよ」
…大会で強い、とかじゃなくて『就職に強い』って意味だった。
「あの……もしかして、私、声に出してました?」
「出てたぞ」
…どこから声に出てたんだろ?
「あの、なんて言ってました?」
「気の利いた告白のセリフ、何か…ぐらいのことを呟いたあと、しばらく唸ってたぞ。最終的に『わからん』って叫んでたから、一例として出してやったのだが」
「えっ……叫んでました!?」
呟くレベルじゃなくて叫んでるレベルまで声量が出てたの!? それは、ちょっと恥ずかしい。
「先生、私、演劇部は3年の文化祭後に引退したので、今はもう台本考えたりとかは…」
「なんだ、お前の脚本はけっこうおもしろかったのに。高校では演劇部に入らないのか?」
「えーと…。高校での部活のことはまだ考えてなくて」
「そうか。君の進学先は、確か…嶋川高校、だったかな?」
「はい」
「あそこは…文芸部が強いぞ」
……文芸部が、強い?!運動系の部活とかならともかく、文芸部に強いとか弱いとかあるの?!
「在学中に文学賞をとった生徒がいたはずだ。あと、文芸部の卒業生たちは出版社への就職率も高いし、小説家になった卒業生もいるよ」
「高卒で出版社に入るんですか?」
「そういう子もいるし、まずは大学に進学して、その後就職、というケースもあるが、大卒の子でも高校時代に嶋川の文芸部に所属してた、というのが評価されて就職が決まる子が多いんだよ」
…大会で強い、とかじゃなくて『就職に強い』って意味だった。
