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陽が沈む湊、陽が昇る湊。

第12章 芽吹く場所

日陽は駅前のカフェで同僚の葵とお茶している。

「葵、話って何?」

昨夜、LINEで【日陽に報告したいことがあるの。明日の夜勤明け後、少し時間ある?】

日陽は思い当たることが一つあった。

一ヶ月前。
湊の義弟、凱(がい)と食事をした時に「日陽の友人でいい人紹介してよ」と言われた事を思い出していた。

(もしかして、もしかするの!?)

日陽はカフェオレを一口飲んで葵を見つめる。

「私婚約したの」

葵は左手を掲げてみせる。その薬指にキラキラと指輪が輝いている。

「本当に!? おめでとう葵!」

「ありがとう! 日陽のおかげだよ」

葵は幸せそうに微笑んでいる。

「私は紹介しただけだよ。彼の心を射止めたのは葵だよ」

日陽も感極まって泣きそうになっている。

「瑛士さん、テキパキ話を進めちゃってもう式場もどこにするか絞り込んで、これから下見に行くの」

「え、瑛士さん?」

「あ、そうか。ちょっと待って」

そういうと葵は手を振って合図を送った。

少し離れた席から、長身で清潔感のある男性が近づいてくる。

「初めまして、神楽坂 瑛士といいます」

(え……誰?)

落ち着いた佇まいで丁寧にお辞儀をしている。

「ありがとう、瑛士さん」

葵は自分の隣の席に座るように目配せする。

日陽は彼の動きを目で追っていた。

(どういう事? 凱じゃないの?)

頭が混乱している日陽。

だが、今ここで確認する訳にもいかない。

「は、初めまして、朝比奈 日陽です」

日陽は着席しながらも丁寧にお辞儀を返した。

葵と瑛士はお互い顔を見合わせ頷いてから、日陽のほうへ向き直り、語り始める。

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結城 葵/ゆうきあおい
30歳。日陽の2個上。
日陽と同じ職場の同期。
小柄で可愛らしい。
仕事はストイックにこなす。
目の下のクマが悩みのタネ。
仕事に追われ、結婚も諦めはじめていた。
根が優しく、純粋。
日陽の働く姿勢をリスペクトしている。

神楽坂 瑛士/かぐらざか えいじ
33歳。建築設計事務所代表。
182cm。落ち着いた清潔感のある知的ハンサム。
長身で上質なコートやスーツをスマートに着こなす。
穏やかで包容力がある。
論理的だがときに情に熱い。
高収入で自由な生活を送っている。
心を通わせ、共に家庭を育てていけるパートナーを求める。

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